自分の人生、他人の人生

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本を読む人 読まない人

先日、後輩に

本は読んだ方がいいですか?

                          という質問をもらいました。

 

私は本を読む人間で、本を読む理由は

『本を読むことが好き』

 

『本から色々なことを学びたい』から、、、

 

そして『本を読むことに慣れ、苦じゃない』

                            という理由もあります。

 

私と同じような人種なら、後輩は先のような質問をしてこないと思い、質問に答えるためにこちらからも質問で返しました。

 

質問に対して質問で返すのはあまり褒められたことではないですが、必要だと思ったのでそうしました。

 

こちらからした質問は2つです。

『普段、本を読むとしたらどんな本を読むのか』

『どうして、その質問をしたのか』

                                    です。

 

一つ目の質問の意図としては、どれくらいの水準で話題を展開するべきなのかを知るためでした。私はどんな形であれ、日常の中で必ず何かしらの本であったり、文章であったり、目にしていると思っています。けれど、その認識のままでは後輩の質問の意図を正確にくみ取ることはできません。

 

話す時、多くの人は自分の認識が他人の認識と共通であると錯覚しながら話しています。そして多くの場合はそれで話は成立しますし、話始める前に認識の共有を図ることがかえって円滑な会話を妨げることもあります。

 

けれど、今回はお互いに自分とは違う価値観を持っている人間ということが最初からわかっていて、それでいて普通の会話でなかったため、敢えてそうしました。

 

後輩は、本を全く読まないわけではなく、漫画なら読むようでした。

 

私は漫画も本と認識しているのですが、私の両親くらいの年齢の方の中には漫画は低俗という認識の方もいるらしく、その方たちからすれば、漫画は本じゃないみたいな雰囲気を感じます。

 

まあ、何はともあれ、漫画を読むということは本自体が読めないわけではなく、文章の羅列だったり、漫画では絵で表現されている部分まで文章で表現されている所だったりが、小説やエッセイ、学術書を読むことの妨げになっているのではないか。と考えました。

 

 

そして2つ目の質問の意図としては、『本を読んだ方がいいですか?』という質問の中に隠されている裏側を解明するものでした。

 

この質問の中からは様々な考えが読み取れます。

 

まず、本人は本を読まないのに、このことを聞いてきたということは、『本を読んだ方がいい』と誰かに言われたか、そう思える出来事に遭遇したかです。

 

なおかつ、漫画を読んでいるのに先の質問をしたということは、本人の認識の中にも『漫画は本じゃない』というものがあったということになります。

 

なので、その謎を解消しないことには後輩の質問に答えられないなと思いました。

 

後輩の答えは『親に本を読めと言われた』ということらしいです。

 

ということは、後輩の『漫画は本じゃない』はご両親からきているものでした。

 

後輩の話をしっかり聞いてみると、『漫画は低俗』という認識からの言葉ではなく、ご両親の『本を読んだ方がいい』の意図は、本を読んで知識や学びを得て欲しいというものだったので、『漫画』が外れてしまっても仕方がない一面もあると思いました。

 

 

質問返しをして得た情報から、私はようやく後輩の質問の答えを出しました。

 

私が出した答えは以下のようなものです。ここからは会話方式ではなく、独白で書いていきます。

 

 

本を読まないよりは読んだ方が良いとは思います。

               けれど場合によります。

 

読んだ方が良いと言われて、言われたから・仕方ないから読むのでは、ご両親が本を読んだ方が良いと言った本当の意図を汲むことができずに形をなぞるだけになってしまいます。

それでは後輩も後輩の両親も不幸だと思います。

後輩は1日の大事な時間を興味もなく、読みたくもない本を読むことに潰されてしまう。

後輩の両親も、本を読んで知識をつけてほしいのに本を読むだけで知識や教養は一向に身に付かない。

 

これでは本末転倒ですね。

本を読む人の中には本を読むだけで自然と知識や教養が身に付くと思う人もいるかと思いますが、私の考えはそうではありません。

 

部活の練習を『ただ適当に流している人』と『真面目にやっている人』と『自分なりの価値を見つけてやっている人』では上達に大きな差が出ると思っています。

 

本を読むだけで勝手に知識や教養が身に付くと思っている人は、自分が無意識に価値を見出して学ぶ人か、そういう人が近くにいて、それが当たり前だと思っている人だと思います。

 

なので、後輩の場合、本来したくない読書を無理矢理しようとすると『ただ適当に流している人』になると思いました。

 

私が提案した答えは2つです。

 

1つ。

本を読むなら、本以外で興味のある事柄について書かれた本を選んだ方がいい

                               ということです。

 

幸いにもその後輩は野球に青春を捧げていました。なのでプロ野球選手が書いたエッセイとかが本とか関係なしに興味を持てるんじゃないかなと思いました。

 

そうすることによって、本を読むことを嫌なことにしないという練習になり、意識的に本から学びを得ようとする姿勢の練習にもなります。

 

2つ

本を読まなくても、本を読んでいるのと変わらない知識と教養を手に入れる方法があるということです。

 

本を読む人は本から知識や教養を得ることが多いですが、世の中の博識な人や教養ある人が必ず本を読んでいたとは限りません。

 

なので、本を読まずとも知識や教養を得ることはできると私は考えています。

 

というか多くの人が既に実践していると思っています。

 

それは

沢山の人と関り、沢山の人の話を聞き、沢山の事柄を体験する                   

                                  ことです。

 

皆当たり前にやっていますよね。

 

後輩にとってもそれは当たり前のことだったようで、私はその当たり前をわかりやすく言語化しただけです。

 

つまり、本を読まずとも行動的であれば、これから起こす   一つ一つの行動を意識して学びを得ようとすれば、  無理してまで本を読む必要はない。    ということでした。