当たり前
どうもこんばんは、盃です。
四月まであと少し、社会に羽ばたくまであと少しとなりました。
そんな私は会社から配布された『社会人の基礎知識』という冊子を熟読しています。
そして、それを読んでいて、ふと思ったことを投稿したいと思います。
題目の通り、本当に『基礎知識』でした。
まだ社会に出ていない私でも『当たり前』のことがずらりと長々しく記されていました。
それを1ページ読んだところで『知っている内容だな』と思って、読むのを止めようとしました。私にはこのあと社会ではなく『会社の知識』を頭に叩き込まなければいけないからです。
けれど、冊子を閉じようとした瞬間に、冊子を配られた意味を考えてしまいました。
みんながみんな冊子に書かれていることを『当たり前』『知っている』のなら、冊子が配られることはないのではないかと考えたのです。
万人にとって『当たり前』のことを敢えて言及する必要はありません。
(生理現象の)呼吸の仕方を一から教える本はないのと同じなのではないかなと思います。
それが『当たり前』で誰もが『当たり前』に実行できるのであれば、その冊子は存在しないはずです。
けれど『社会人の基礎知識』という冊子は確かに存在しているということは、それが本当は『当たり前』ではないからです。
私が勝手に『当たり前』『知っている』と思っているだけで、本当は『実行できない』し、『知らない』のかもしれないと思いました。
こんな所で以前お話した『無知の知』という考え方が役に立ちました。
ここで『当たり前』『知っている』と冊子を閉じてしまっていたら、『無知の無知』になってしまう所でした。危ない危ない。
そんなこんなで、読むことを続行したわけです。
確かに『知っている』ことが多かったのは事実です。
「あ、見たことある」「聞いたことある」
と思うことが多い反面、『見たことある』『聞いたことある』
その程度なのです。『見る』『聞く』などの『記憶にある』という状態と『理解している』は全く別物だと思いました。
『記憶にある』だけでは『実行』はできないのです。
例えば『PDCA』という生産サイクルがあります。
Plan(計画)→Do(実行)→Check(検討)→Action(改善)
という行程を繰り返すのです。
この言葉も知っていましたし、意味も知っていました。
けれど、この言葉に今、この時期に改めて触れることによって、言葉の意味以上のモノを得ることが出来ました。
それは
新たに身を置く環境の中でそれを本当に『実行』できるのか。
という考えに至りました。
今までの環境では確かに『当たり前』に実行していました。
けれど、今までの環境でできていたとは言え、新しい環境でも当たり前にできるとは限りません。
どうやって計画するのか
どうやって実行するのか
どうやって検討するのか
どうやって改善するのか
その全てが新しい環境に左右されます。
そして、未だにその環境に身を置いていない私にとってそれは想像し得ないことなのです。
私は元来ネガティブなので、このことを酷く不安に思います。
けれど、この不安を根本的に解決する考えを今の私では導き出すことはできません。
なので、この不安の根本的な解決方法を手に入れられる時の自分に託すしかないのです。
今の私にできることは、その不安に気づいて、近い未来に訪れるであろう『その機会』を逃さないように準備することだけです。
現時点で、私はその不安要素に気づくことができました。
これは、気づかなかった人よりも、少しだけ前に進んでいるように思えます。
現在の私が抱く『不安』は未来の私に対する『前兆』です。
現在の私が『不安』を抱いてくれるから、未来に訪れるであろう、その『不安』に対処するための準備をできるのです。そして前々から『不安』として想定しておくことによって、未来における『一瞬の機会』を掴み取ることができるのです。
なので現在の私を悩ませる『不安』は未来で困るかもしれない私を『助ける』と思っています。
それと同じように、過去の自分の『失敗』を現在の私が何度も思い出すのは、過去から現在への『警告』だと思っています。
あの『哀しみ』を『後悔』を『絶望』を忘れてもう一度『失敗』を繰り返そうとしている現在の私への『警告』なのです。
それを何度も思い出させることによって、現在に注意することができます。
私は生来物覚えが悪く、過去の記憶が曖昧なものですから、不意に訪れるフラッシュバックは非常に苦しく、それでいて新鮮です。
忘れたままでいられたらどれだけ楽だったろうと思うこともしばしばあります。
ですが私にとっては、失敗をしてから過去にも同じ失敗をしていたことを思い出して二重に苦しむ方が辛いのです。
そんな時にこそ、最大のネガティブが首を擡げてここぞとばかりに私の心を飲み込んでしまうのです。
なので、そうならないように準備する必要があるのです。
今回の『社会人の基礎知識』をしっかり読むのもその一環です。
もし、みなさんも『当たり前』『知っている』と思って目を通すことを止めたり、体験することを止めてしまいそうになったりする場面があった時には、『無知の知』を思い出し、思い切って実行してみてはいかがでしょう。
初見でないが故に新しく見えてくるものもあるかもしれません。
以上で今回は終わらせていただこうと思います。
今回も最後まで読んでくださり誠にありがとうございました。